2015/02/01

失望感

関係者が最善を尽くした結果なのであろうから受け入れるしかないんだろう。しかし、この経験の中で相手とのコミュニケーションチャネルを作ることができなかったとしたら、犬死感が強くなるように思う。

一連の流れの中で、首相が発する声明にはいつも違和感を感じていた。相手は首相を名指しでメッセージを発しているのに、首相はなぜ相手に呼びかけなかったのか。憤りを感じるとか、国際社会と連携していくとか、国民感情をなだめることと、日本の立ち位置が変わっていないことを欧米諸国に伝えることを目的に声を出しているように聞こえた。こんな言葉じゃ相手には伝わらないだろう。

最近、世の中は当事者意識にかけた連中で満たされていくように感じているのだけれど、政府の人たちも例外ではないようだ。人命がかかっているというのに、相手に直接「やめろ!」の一言すら言えない元首では、安心して舵取りをまかせるのことはできんな。

例の覆面の男によれば、これから日本人にとっての悪夢が始まるそうだ。仕事やその他の事情で海外に渡航せざるを得ない日本人はたくさんいるというのに、どうしたらいいのだろう。ちゃんと相手と対話して、せめてあんなメッセージを相手から発せられることがないようにして欲しい。

今回の出来事、当事者には気の毒なことであったけど、日本が直接の当事者となったのだから、相手との直接対話のルートを作るチャンスでもあったはずた。それすらできずに犠牲者が出たというのでは、繰り返すが、犬死だ。

欧米追従の姿勢を示すだけでなく、首相からの直接的な呼びかけにより日本独自の姿勢を示すべきだったんじゃないか。日本は昔からどっちつかずの態度でうまくやってきたじゃないか。白黒つけるだけが正義ではないだろう。

とにかく、今回の出来事は、首相から相手への呼びかけの言葉が出なかったのが残念でならない。国民を守ることへの気概が感じられない。