2011/05/29

アメリカ

この間、4回目のテキサス出張から帰ってきたわけですが、何度かアメリカを訪れているうちに、だんだんアメリカが好きになってきたような気がします。


私が始めて海外に降り立ったのは、パリのシャルルドゴール空港、23年前のことでした。大学の卒業旅行ということで、友人と二人、有り金1300ドルで1ヵ月間ヨーロッパ放浪という旅をしました。ヨーロッパは駅前に行けばどこか泊まれるところがあるし、泊まるところが見つからなければ夜行列車に乗ればいいし、長距離・短距離の公共交通機関が整備されているので、旅行者にとっては快適な場所でした。

それ以来、仕事で何度も海外に行かされ、アジア、ヨーロッパ、中東、果てはアフリカまで含む26カ国に足を踏み入れているというのに、今の仕事に携わるまで、アメリカには1回しか行ったことがありませんでした。カタールには2回行ったことがあるのに、アメリカには1回しかいったことがない奴ってきっと珍しいと思います。

昔から、自由でカオス的なイメージのあるアメリカよりは、歴史と伝等に裏打ちされ整然としたヨーロッパの方が好きだったのですが、最初に訪れたアメリカを訪れた時、①街の中心がどこにあるのかわからない、②車がないとどこにも行けず旅行者にとっては不便、という悪い印象を持ってしまったので、ますますアメリカが嫌いになってしまいました。それと、外国で出会ってもひと目でアメリカ人とわかる彼らの同化しない行動様式が鼻につくというのもありました。

そんな訳でこれまで私用で行った唯一の海外旅行である新婚旅行もヨーロッパだったし(爆)。

ところが、この間の出張を終えていろいろなことを考えてみると、そんなにいやなところではないかもなと思えてきました。

どこで出会ってもアメリカ人とわかる個性の強さは自分がどこにいても自分のアイデンティティを失わない強さなのだろうし、王様が国を作ったヨーロッパと違って、移民が自主独立の精神で国を作ったアメリカで公共交通網が発達していないのも理解できる気がします。移動するなら自分で幌馬車(今なら車)を運転して移動すればいいじゃんってことなんだろうな。それに、国土が広大で人が住まない地域もあるから、日本やヨーロッパみたいな密度の高い公共国通網はいらないんだろうな。

さらに、寄せ集め国家故か、異質なものを受け入れる度量が高い気がします。「ふん、お前はフランス語をしゃべらないのか」という態度のフランス人と違い、英語が変でも相手が何を欲しているのか理解しようとする努力が見られます。。帰りに空港まで送ってもらったタクシーの運転手、わかりにくい変な英語しゃべるなぁと思っていたら、運転中にかかってきた携帯にはスペイン語で対応。ここはテキサス、メキシコ移民が多いんだよねぇ。要は、変な英語しゃべる運転手もちゃんと社会に溶け込んで生きてるってこと。

国内・海外を問わず人とのコミュニケーションが苦手な自分は、今までアメリカが嫌いなのではなくて怖くて逃げていたのではないかという気がしてきました。

実はアメリカというのは、私にとって越えなければならない山だったのかも知れません。

12月のテキサス出張が楽しみです。

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