2010/10/20

無題

今朝、英語の勉強のために聞いているBBCのポッドキャストニュースを聞いていたら、珍しく日本のことが話題になっていました。

菅首相が、ノーベル平和賞を受賞した中国人が釈放されることが望ましいと発言し、中国が怒っているというもの。

発言の経緯を調べてみると、どうやら14日の参議院予算委員会で自民党議員の質問に答えたものらしい。

この質問と答弁については、人によっていろいろな考えがあるとは思うけど、私としては「この時期にそんなこと聞くのか、お前は!」という感じです。

ご存知のとおり、尖閣問題やそこから派生したさまざまな問題で中国との関係がちょっとおかしくなっています。そりゃぁ、あちら側にも問題はあるし、あちら様が世界的な協調をもろともせずに独自路線を歩んでいることは誰もが知っていること。

しかし、そんな国でも隣国なんだから、外交技術を駆使してミサイルが飛んでくるような危険を回避するのも政府の多くの役目のひとつでしょう。

外交というのは、思い込み、誤解、二面性、面子など様々な高等技術を駆使して双方の合意にたどり着く高等技術。そういうことを考えたら、今この時期に日中関係と人権問題を秤にかけるような、人権問題を重んじる先進諸国の趨勢を考えたら中国を怒らせる回答をせざるを得ないような、こんな質問をするというのはどういう神経なんだろう。

多分、日本人の多くにとって、信頼できる国防手段というのはないと思うんです。ミサイルが飛んできそうなときに、自衛隊や在日米軍が相手国のミサイルサイトを専制攻撃してくれるのかはなはだ疑問だし、日本の価値観を相手国に受け入れさせるためには戦争に突入しても仕方が無いという覚悟が、国、国民の間に出来上がっているのか。

私に言わせれば、この質問は、外交を知らないおっさんが、民主党政権のミスを誘発して政権を奪うという党益だか私益だかを優先して、国民をミサイルのリスクに晒すという極めて稚拙なものだと思います。

いろいろな考えはあると思うけど、外交だって人付き合いと同じで、自分が正しいを思うことを何でも相手に押しつけりゃいいってもんじゃない。

そろそろ「政権にとどまる」とか「政権を奪取する」ということを党の最大目標とするのはやめて、政党みんなで国益のことを考えてもらえないだろうか。国民の人気ばかり気にして、口先で人気取り政策をしゃべっていても、誰も喜ばないよ。

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