2009/06/09

トリップ

昨日の通勤で電車での出来事。

いつものように混んでいました。それなのに、私の斜め後ろに立っている男性が何だかモゾモゾと動くんです。混雑した電車ではお互いの身体が接しているので、この男性の動きは私にも伝わってきて、ちょっと不快。じっとしていてくれないかなぁと思っていた矢先、男性が後ろを振り向いて言いました。

「悪いんだけど、脇を触らないでくれる? 気持ち悪いから。」

どうやら、男性の後ろに立っている女性の携帯電話が男性の脇をくすぐっていたらしいのです。

それを聞いた別のおじさん曰く

「そんなのやらなければいいんだよ。」

勢い込んだ男性曰く

「そうだよ、混んでるんだから空気読んでねっ!」

言われた女性はだた頷くのみ。

確かにこういうことあるんですよね。私も以前、後ろに立っている男性の携帯電話の蓋の角が何度も私の肩を直撃して、不快な思いをしたことがあります。携帯電話をもう少し上にあげて、目と水平にしてみてくれれば私の肩に当たらないんですが、そういったことにはなかなか気付かないんでしょうねぇ。

完全な偏見だとは思うのですが、電車内で本を読んでいる人は割と車内の混雑状況を見ている人が多いと思うんですよ。人に当たらない位置に本を構えて読んだり、あまり混んできたら読書をやめたり(中には無理やり自分のスペースを作って読み続ける人もいますけどね)。

でも、携帯をしている人は必ずしもそうではないようです。以前ニュースに「携帯メールをしている女性は狙いやすい」という窃盗グループの供述が載っていましたし、携帯に夢中で入線する電車の先頭車両に頭をぶつけた人の話も聞いたことがありますが、携帯をしていると心が端末の向こう側にいってしまって、ここにはないんでしょうね。

本というのはいわばフィルムコンサート。活字として定着した情報を自分で上映して味わうというエンターテインメントですが、携帯はいわばライブ。携帯端末の向こうでは別の世界がリアルタイムで動いている(ような気がする)ので、心はそちらにトリップしてしまうのでしょう。でも、自分が属している世界にも少しは気を遣ってほしいものです。

ところで、男性の最後のセリフ「空気読んでねっ!」はちょっと違うような気がします。「状況を考えてねっ!」の方がいいんじゃないかなぁ...どうでもいいけど。

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