2009/02/24

モモ その2

天気予報を見ると、今週はずっと曇りや雨のようですね。花粉症の人にとっては花粉の量が減っていいのかもしれませんが、こちとら花粉には反応しない原始人。窓から差し込む陽光を受けて、明るく過ごしたいものです。

今日はこれと言って書くネタがないので、先週読み終わった「モモ」の読後感でも。

なかなか深イイ本でした。読後すかさず「いい話だから読め」と次男に渡しましたが、次男の趣味には合わないのか、部屋の隅に放っておかれています(泣)。

時を司るおじいさんの家への行き方とか、おじいさんの言葉とか、時に関するメタファーが随所に織り込まれた、児童文学にしておくのはもったいない作品です。いやいや、子供が読む本だからこそ、素晴らしい作品でないといけないのでしょう。「時」を物語の中心に据えつつも、人間の利己心など、現代人が身に着けてしまった余計なものに対する批判もあり、中身は結構高度です。灰色の男が自滅する場面など、人間の利己的な争いの様子がよく描けていて、う〜んと唸らされます。

時の流れを感じ、時の流れを楽しむということは、先のことを考えて焦るのではなく、目の前にある課題にじっくり取り組み、今自分が置かれている時を充分に感じるということなんでしょう。それは自分を取り戻すことにも通じます。これって、子供だけでなく、大人の生き方にもあてはまることだと思います。

目的地がわからぬまま、虚無感を抱えてひたすら高速で飛ばす日々におさらばしなければ。

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