2008/05/15

電車広告を見て考える

今朝も「電車広告を見て考える」ネタです。

今日も聖心美容外科のステッカーが貼ってあるかなとドアの上部を見ると、今朝乗った車両にはバイトルドットコムのステッカーが貼ってありました。バイト探しも便利になったものです。私も学生の頃にはいくつかのアルバイトを経験しましたが、当時はこんなにお手軽にバイトは探せませんでしたね。日刊アルバイトニュースとかフロムエーなどのバイト情報誌はありましたが、掲載地域が広く、希望エリアの情報はあまり載っていないので、店の前に貼ってある求人の貼紙が頼りです。貼紙で情報を得て、ドキドキしながら面接に望んだものです。

今と違ってネットで簡単にバイトは探せないし、他のバイトの職務内容や賃金などに関する情報もあまり得られなかったので、一度バイトが決まると「これこそ俺の天職」と心得て、性根を入れて仕事に励んだものです。雇用主の方でも、折角来てくれたバイト君と思ってくれたのかどうかはわかりませんが、戦力としてそれなりに大事にしてくれたように思います。

ネットでバイト情報が得られるとなると、仕事は簡単に見つかるだろうし、それぞれの業務内容や賃金の比較もできるだろうし、雇用主の側でもバイト志望者は大量に押し寄せるのだろうし。そうなると、一度バイトに就いてもよりよい条件を求めてやめてしまう、雇用主側でも「代わりはいくらでもいるぜ」と言わんばかりにバイト君を使い捨てるといった感じで雇用の流動化を後押しする要素となっているように思います(バイトの雇用はそもそも流動的ですが・笑)。

年老いたおっさんである私は安定志向が強いので(世の中の流動化にもはやついていけないという説もある・泣)、このような状況が幸せなことなのかよくわかりません。「他にもっと条件のよい仕事はないのか」ということにエネルギーを費やすよりも、「今の仕事の完成度を高めるにはどうすればよいのか」ということにエネルギーを費やす方が、人間としての能力を伸ばせるように思います。

今までは情報が偏在していたので人それぞれの生き方というものがありましたが、ネットのお陰で情報の偏りがなくなりつつある今、ますます流動化が進んでいくのでしょう。極度に進んだ流動化の産物の一つがサブプライムローン問題ですね。人の住宅ローンを細切れに刻んで証券化して売るという発想はすごい。買う方の度胸もすごいと思いますが。これからは、自分なりの方向性をもって生きていくよりも、何かいいチャンスはないかと周囲に目を見張っているべき時代なんですかね。

0 件のコメント: