2008/05/30

値切りましょう

昨日の日本テレビの「秘密のケンミンSHOW」の大阪ネタは、
「大阪のおばちゃんは問屋でも値切る」
というものでした(爆)。1万円以上の上着をレジに持ってきて「フード要らないから100円負けて」。これには店員さんも「フード付けたままで100円負けます」。
ここまでくると、買いたいけど100円足りないとか、100円得したいといった話ではないですね。きっと、大阪のおばちゃんには、「値切る」→「買う」という順番が一連の行動様式として刷り込まれていて、買い物に関わる一連の手続きとして値切っているだけのように思われます。しかし、人間の交流を促すいい文化ですね。

最近、買い物で値切るということもなくなりました。関東地方では、もともと値切るという行動様式は一般的ではなかったように思いますが、それでも、私が学生の頃は、電器屋で大きな買い物をする前には値切り交渉をするというのが私にとっては普通の行動でした。

しかし、最近では、電器屋も「これ以上絶対負けられません」という値引き後価格を最初から表示するようになり、値切り交渉しなくても安く買えるようになってしまいました。値切りという行為、公正取引委員会的には、確かに好ましい行為ではないのかも知れません。値切った人は安く購入でき、値切らなかった人は高い値段で購入するという、一物二価そのものですからね。

それでも時々値切り交渉の余地がある電器屋がありますが、そんな店はこちらから値切り交渉を切り出さなくても、買う素振りを見せると、向こうから値引きをオファーしてきますね。値切り交渉をする客だけに得をさせないためでしょうが、客が値切り交渉を仕掛けてこないと店員さんもつまらないのではないでしょうか。

公正取引委員会の指導もあるのでしょうが、値切りという行動様式が廃れた背景には、「人と関わって面倒くさい交渉をするくらいなら、少しくらい高くても値札の値段で買いたい」という人との交流を拒む人たちの出現によるところが大きいのではないかと思います。今の世の中、人間同士の関係が希薄と言われますが、その影響がここにも出ているのでしょう。

しかし、いくら値切っても、あちらも商売人、儲けが出なくなるほど値引きするはずはありません。値切交渉が妥結すれば、お客さん側は「値切って安く買えたぜ!」とハッピー、店側も「しめしめ、少し値切られたけどほぼ予定していた値段で売れたぞ!」とハッピー。いわゆるwin-winの関係が成り立つのではないですかねぇ。

人との関わりも強まるし、お互い気持ちよく商売ができるし、残した方が良い習慣だと思うんですけどねぇ。

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